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日本人は浪花節的に意気に感じて時には損得抜きで行動するのに対し、外国人は、「ギブ.アンド・テイク」の精神が徹底している、ともいう。
どんな場合でもいわゆるステレオタイプの見方が存在し、真実の姿を見る邪魔をしているが、こうした日本人観と外国人観はその好例である。
昭和の初期、つまり、先の大戦の頃までは、確かに日本人は義理と人情に厚かったであろうが、今の日本人が特別こまやかな義理人情を持ち合わせているとは、私にはどうしても思えない。
形式と名にこだわる文化は、そのまま一肩書きにこだわりをもつビジネス社会に継承されていると私は見る。
私はこのような日本的文化意識を否定するものではない。
西洋流の、実利一辺倒の考え方に変えよ、と言うつもりもない。
だが、形式のための形式、一肩書きのための肩書きにとらわれ過ぎた時、日本の文化も企業も、ダイナミズムを失うだろう。
そのための自省と、日本独自の方法での新しいビジネス習慣への脱皮は必要であろう。
そして、それは日本人の自然な国際化につながっていくものだと思う。
形式と名と実利が融合したような洗練された文化意識が、若い世代を中心に、いずれ日本の国から湧き起こって来るのではないか、と期待している。
後のモーレツな経済復興の過程で、土地や金がすべての価値観念に君臨し、日本人の品性が卑しく利己的になったことは、残念ながら誰もが認めるところであろう。
外国人といっても、ここでは、イギリス人について考察するのだが、彼らがいわゆる「ギブ.アンド・テイク」の民であるというのは本当である。
私は、そのことを、シティにおける仕事を通じて明確に知った。
私は、一九九○年に来英、シティでまず日本株のセールスマンとして出発した。
相手はイギリスや欧州の、いわゆる機関投資家であった。
ファンドマネジャーと呼ばれる運用担当者たちに情報と投資のアイディアを提供し、見返りに株の注文を貰うのが私の仕事だった。
その頃はまだバブル経済の余韻が濃厚に残っており、日本経済と東京株式市場の存在感は、今よりずっと大きかった。
ロンドンでは、日本の証券会社だけでなく、アメリカをはじめ、多くの外資系証券会社が日本株の業務に参入していたから、競争は激しかった。
いきなり日本から来たセールスマンの私は、イギリスの鍔々たるファンドマネジャーを相手に、なかなか注文がとれなかったが、ひとたび彼らの信頼を得ると、それ以降は、いつまでも安定した関係が続くのは有り難いことだった。
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